柔道の合わせ技廃止は日本に取って追い風になるのか?

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2020年の東京オリンピックに向けて、国際柔道連盟(IJF)が「有効」と「技あり」2回で得られる「合わせ技一本」を廃止すると発表しました。

このルールは2017年1月から、同年9月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)まで試験的に導入し、効果を検証するようです。

今まで柔道は様々なルール改正がありました。

しかしほとんどが日本に取っては、どちらかというと不利なルール改正と思われます。

そして今回の「合わせ技廃止」。

日本柔道に取って、このルール改正はどうなんでしょうか。

合わせ技がなくなる理由

簡単に言えば「一本」で勝敗が決まることを求めた結果です。

尚、その他にも以下の新ルールが発表されました。

  • 指導4つで反則負け → 指導3つで反則負けに変更
  • 抑え込みは、5秒短縮されて10秒で技あり
  • 組み合わず直接脚を取る技を掛けた場合は1度目で指導、2度目で反則負け
  • 男子の試合時間を5分 → 4分に短縮(女子と同じ試合時間にする)

この改正を見ると、判定勝ちを狙うような消極的柔道を除外して、より攻撃的な柔道を目指しているように思います。

日本に取っては間違いなく追い風になる

攻撃的な柔道、一本で勝敗が決まる柔道、どれも元々が日本柔道の形です。

だから柔道がおもしろかったのです。

しかしここ数十年のルール改正は柔道をおもしろくないものにしてきました。

特にフランス中心の柔道スタイルが世界標準のようになっています。

柔道は日本発祥で強いから、それに対抗するためルール改正をしてきたと思われます。

でもそのお陰で少しは良い面もあります。

私見ですが、柔道着の色分け。

パッと見、わかりやすいですよね。

今では当たり前だし、違和感もありません。

でも最初導入当時は日本は反発していました。

日本は伝統や格式を重んじるので、色付き柔道着は許せない部分があったのだと思われます。

でもこれぐらいで後は、ほとんどが柔道をおもしろくない方向にするルール改正です。

しかもルール改正を行う国際柔道連盟(IJF)の理事に日本人も入れない状況が続いていました。

※2007年9月 – 理事選挙で山下泰裕が落選したものの、上村春樹がビゼールによって議決権を有しない指名理事に選ばれる。(ウィキペディアより)

そのためかなりの間、日本には不利な状態となっていました。

しかしその上で今回のルール改正を発表したのは、あくまで推測ですが柔道がおもしろくなくなっていることを国際柔道連盟(IJF)も認識したからではないでしょうか。

いずれにしても私は、今回のルール改正は本来の柔道の試合形式に近づいたと思います。

だから日本選手にとっては間違いなく追い風であります。

日本が今弱くなったのはルール改正ではない

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リオオリンピックで数人メダルを取りましたが、やはり以前よりは日本選手は弱くなっています。

でもそれは日本不利のルール改正のせいではありません。

日本選手が弱いというよりは他国の選手のレベルが上がっているのです。

日本は昔から強いですが、レベルがあまり上がっていないように思えます。

オリンピックを見ていたら、日本選手が何もできなくて判定で負けるシーンをよく見ると思いませんか?

これは相手選手の戦略です。

相手が研究しているからです。

ここが日本の弱いところです。

でも、しかしおもしろくない試合ですね。

実際、観客もブーイングです。

だからこれを改正しようという、今回のルール変更は大いに賛同できます。

まとめ

2017年から試験的な導入をしますので、これからの柔道を見るのが非常に楽しみです。

見ていておもしろいでしょう。

なぜなら選手は逃げる事は、得にならないからです。

組み合えば日本選手は強くなります。

でも当然他国の選手も組み手、立ち技を強化してきます。

是非、それに負けないように日本選手はレベルアップしてほしいと思います。

お互いが組み合って技を仕掛けることが柔道のおもしろさです。

2020年の東京オリンピックで、日本選手が全階級金メダルを取る姿を見てみたいものです。

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